樹状細胞とは、身体を細菌の外敵やがん細胞から守ってくれる役割を持つ免疫細胞の1種です。
体内に侵入してきた細菌、ウイルスが感染した細胞やがん化した細胞などは異物として免疫細胞に発見され排除されます。その際免疫細胞は各々の役割を分担しながら綿密に連携し合って働いています。
樹状細胞はそうした連携の中にあって司令塔のような役割をはたす重要な細胞です。樹状細胞が体内で異物を捕食することにより、その異物の特徴を認識し、リンパ球(異物を攻撃する役割を持つT細胞など)にその特徴を覚え込ませます。
それにより、そのリンパ球が異物のみを狙って攻撃することが出来るようになります。リンパ組織や皮膚組織、鼻腔、胃、腸管などに存在しています。その名前のとおり、木の枝が伸びたような突起を持っています。樹状細胞はいくつかの種類に分類されます。
皮膚にあるランゲルハンス細胞・リンパ液にあるヴェール細胞・T細胞領域の指状嵌入細胞・胸腺の胸腺樹状細胞・脾臓の濾胞樹状細胞などです。これらは骨髄中や臍帯血中の造血幹細胞から作られます。1973年にロックフェラー大学のラルフ・スタインマン博士によって発見され、2011年にはノーベル医学生理学賞が教授に授与されることが発表されました。
樹状細胞はがん治療やアトピー治療に使われています。樹状細胞ワクチン療法は、最も新しい世代のがん免疫療法のひとつです。膵臓がんを患ったスタインマン博士は、自ら開発した樹状細胞を使った免疫療法により延命していたそうです。